文春図書館特別企画 お正月は映画ですごそう
DVDおすすめベスト3
『サムメンデスの映画を三本観ることにして、「この人は何か底知れないな」と改めて、感心したい気もします。あくまでも僕の場合ですが。』
文春図書館特別企画 お正月は映画ですごそう
DVDおすすめベスト3
『サムメンデスの映画を三本観ることにして、「この人は何か底知れないな」と改めて、感心したい気もします。あくまでも僕の場合ですが。』
GUEST REVIEW アナログフィッシュ 「ROCK IS HARMONY」
『身の回りの恋愛や悲しいことを等身大に歌うミュージシャンや、神秘的で幻惑的な世界観を作り出すバンドも必要だろう。ただ、「現実的な生活」と「広大な世界」のそれぞれのやり切れなさ可笑しさを同時に描き出すロック・バンドはあまりいない。だから、アナログフィッシュはとても、貴重だ。』
超人気!70年代生まれ作家の素顔が知りたい!
Q02 好きな作家は誰?その作家が書いたベスト1の本は何ですか? 佐藤哲也さん。
教養やユーモア、オリジナリティを含め、海外に誇れる作家の一人だと思います。ベスト1はとりあえず、『イラハイ』ということにしておきます。Q12 新作(『フィッシュストーリー』)について、帯の宣伝文句を書いてください。 オーソドックスな娯楽映画を、伊坂幸太郎が小説にするとこんな感じになります。普通に面白い!というのを一生懸命、目指しました。
NHK-FM青春アドベンチャー 2006/10/30~11/3放送 全5回
第1回「死神の精度」
第2回「死神と藤田」
第3回「恋愛で死神」
第4回「吹雪に死神」
第5回「死神対老女」
伊坂幸太郎とサンマを焼こう!
『実は、ずっとあたためていた新作を、昨日から書き始めてるんです。僕は前から『ダイ・ハード』をやりましょうよ、と親しい編集者に言っていて、ようやく作品にとりかかったところなんです。ハリウッド映画のような、ある意味ベタなエンタテインメントを狙ってますが、こうしたらドキドキするというような方程式や定型をおさえつつ、オリジナリティが出ればいいな、と思っています。』
front interview 伊坂幸太郎
『うちの父親がよく言っていた言葉で、「作品を作る人というのは、全部吐き出さなければ次の新しい物は生まれてこない」というのがあるんですが、これはまったくその通りだと思ってるんです。全部出し切った上で次のネタが出てこなければ、所詮はそれまでということですからね。』
原作 「終末のフール」 小説家 伊坂幸太郎インタビュー
『僕は自分の小説を漫画化することにあまり興味がないほうなんですよ。でも編集者さんから、漫画版 「終末のフール」 第一話のネームを見せていただいた際、「この感覚で描かれる、この世界を観たいな」と強く思ったんです。』
本よみうり堂 HONライン倶楽部 伊坂幸太郎の巻
『ある先輩作家さんが、「たぶんね、小説というのは、どこかで悲しみに暮れている誰かに、寄り添うような、そういうものなんだよ」と言ってくれた。
��中略-
等身大の話かな、と読み進めていたら、いつの間にか、現実が溶けた妙な場所に到着していて、これは等身大どころか見たことのない場所だぞ、とにやにやしてしまうようなものが、
寄り添ってくれる小説ではないかな、と僕は思う。そして読んだ人が、本を閉じた後、「あんな景色を見てきたんだから、大丈夫」と根拠のない自信をお腹に抱えて、(それは、ロックンロールを聴いた時と似ているのかもしれないけれど)、「とりあえず、やりますか」と、気が進まない学校に向かったり、放り投げたい仕事に取り掛かる。そういう力のある小説が読みたくて、だから、自分も書ければいいな、と思う。』
私の青春文学、この一冊
『この文庫本の序盤に、「ともかく僕のそのときまでの二十年の生涯に、なにひとつ特別の出来事がおこらなかったということがいわば僕の個性だった」という文章があった。それを読んだ瞬間、ああ、僕もそうだ、僕も特別なことなんてなかった、と共感とも悲しみともつかない気持に襲われた。』
発見ハ何デスカ? クリエイターの遭遇。伊坂幸太郎×小西利行
小西 『伊坂さんの本って、広告を作っている感覚に近い気がするんですよ。受けての感覚がわかってて、その上で伝えている感じがする。』
伊坂 『僕は 「わかる人だけついて来ればいいんだぜ、ベイビー」 までは割り切れなくて(笑)、相手側にわかってもらいたくなるんです。ある書評家が 「伊坂幸太郎が持っているのは親和性なんだ、向こう側に親しく入り込んでいく力なんだ」 と書いてくれたのはよく覚えています。』
キッカケの素 「作家 伊坂幸太郎」 特集。
ご自分で脚本を書こうと思ったことは?
最近、自分の小説の映画化の話があった時に、「脚本をやりますか」と言われて、その時に、頭にいろいろなアイディアが浮かんで、これを脚本にしたら面白いんじゃないか、と一瞬だけ興奮したんですが(笑)、それをやったら小説を書かなくなっちゃいそうで。それに、脚本って主に会話しかないから、それになじんでしまうと、小説の地の文とか書けなくなるような恐怖もあるんですね。ですから、やらないと思います。いざ読もうとしても、「何から読めばいいのかわからない」という人も多いかと思います。本の選び方についてのアドバイスをいただけますか?
自分の好きなものだけ読んでいると、偏ってしまうのは確かですね。かといって、「あ」から順に読んでいけというのも違う気がしますし。信頼できる書評家を見つけて、読んでいくのはいいような気がしますけど。そういえば、奥泉光さんや島田雅彦さん、柄谷行人さんらの推薦書を載せた『必読書150』は、いい作品が並んでいるし、評価の理由もしっかり書かれているので、僕はとても面白かったです。僕の場合、ドストエフスキーに出会ったのが遅かったんです。若いころは「そんな有名作品は読みたくない」みたいな反発心があって。でも、読むとやっぱり、王道には王道の強さがあるというか、強固なものがあるというか...。
僕にとってはビートルズもそうで、「あんなのロックじゃない。教科書に載ってるじゃないか。イエスタデイってロックなのかよ」と思って(笑)、全然聞いてなかったんですけど、奥さんに薦められて、真面目に聞いて、「まいりました」って。古典には古典の、名作には名作の力があるんだと思います。怪しいのもありますが(笑)。
ロマンはどこだ!
夢(ロマン)をもち続けることについて
『意識的に続けようとは思っていました。「諦めなければ叶う」というか、何もやらないのに「オレ、パイロットになるんだぞ」って言う人と自分は違うんだって言い聞かせてましたね。あとは、小説を書きたいということを誰にも言うまいと決めていました。夢を周りに言ってしまうと、それが一つの満足感になってしまって、ポーズで終わってしまいそうな気がしたからです。』
Culture Navi 『終末のフール』
「籠城のビール」「天空のオール」など、遊びのあるタイトルについて、
『読者にタイトルからおもしろがってもらえたらな、と。先日、井上ひさしさんが、イヤなことやつらいことは、生きているだけでやってくる。だから、小説でわざわざ作らなければいけないのは"笑い"だ、とおっしゃっていて。僕も、にやりとしたり、驚きのある小説を書きたいんです。』
読み手をうならせるストーリーテリングで注目の文壇の鬼才
伊坂ワールドの登場人物の重複について
『どうでもいい脇役には、必ずどんな小説でも、 「佐藤」 か 「山田」 をつける、というどうでもいいルールを決めたり、楽しみながらやっていたのですが。これもやりすぎるとカッコ悪いことなので、最近は自粛するようにしています(笑)。同じ登場人物が複数の小説に出るのは、手塚治虫的?えーっと、実は手塚治虫ファンなので(笑)。実際、 「田中」 ※1は 「ランプ」 ※2を意識しています』
頭脳派ビジネスマン養成講座!閃きの人 第8回
『会話なんかは書きながら閃く感じですけど、具体的なシーンやストーリー展開のアイデアは、外を歩いているときに生まれていますね。うん。きっと僕の作品の8割くらいは歩きながら生まれたアイデアですね。』
映画 meets J文学
映画 「陽気なギャングは地球を回す」 について
『銀行強盗のたびに衣装が変わったり、セットが凝りまくってたりとかは映画ならではですよねー。ああいう、じつはなくてもいいような部分にエネルギーを使うのは、贅沢だし楽しい。映像として正しいありかただと思います。』
初の映像化について、いまもっとも注目される作家自らが語る。
映像化されるときに、ここだけはこだわりたいという部分について
『 「陽気なギャング~」 は僕のなかではほんとに好き勝手にして欲しいところがあって、例えば映画であったりマンガであったり、いろいろなもので遊べる話のような気がしていて。今回の映画も、そういう意味で全然忠実じゃない部分があって、それがすごく映画っぽくなっていた気がするんですよ。 「チルドレン」 に関しては、 「こうなって欲しくない」 という部分が結構あって、家裁の調査官と少年の話なので、それが 「子どもに全力で向かえば子どもは立ち直るんだ」 みたいなきれい事になることへの恐怖感はありました。』
自作にサウンドトラックをつけてみよう
『終末のフール』 にアナログフィッシュの
「世界は幻」 「夕暮れ」 「ナイトライダー2」
話題の本 「地球の滅亡を3年先に迎える人々の物語」
『以前、作家の伊集院静さんと会ったとき 「小説は、哀しみを抱えている人に寄り添うものなんだ」 と言われていました。その意味が最近になってすごくよくわかってきて。小説って本来、何十万部目指せ!とか映像化を狙え!と、マスに向かうものじゃないと思う。癒しがたい傷を抱えた人のすぐ側に、そっと置かれていればいい。うまく言えないけど、この作品はそういう、人に寄り添える小説になったように思います』
この人のスケジュール表
映画 「陽気なギャングは地球を回す」 について
『小説と映画は、似ているようでいて、また違った作品になっています。原作とはストーリーが変わっていますが、両方ともどこか現実とずれた、可笑しな物語になっていますので、どなたにも楽しんでいただけると思います』
人間嘘発見器成瀬が遭遇した刃物男騒動、演説の達人響野は「幻の女」を探し、正確無比な"体内時計"の持ち主雪子は謎の招待券の真意を追う。そして天才スリの久遠は殴打される中年男に―史上最強の天才強盗4人組が巻き込まれたバラバラな事件。だが、華麗なる銀行襲撃の裏に突如浮上した「社長令嬢誘拐事件」と奇妙な連鎖を始め...。絶品のプロット、会話、伏線が織りなす軽快サスペンス!伊坂ブームの起爆剤にして、映画化で話題の「陽気なギャング」ここに待望の復活。
文庫版には映画 「陽気なギャングが地球を回す」 公式ガイドブックに収録されていた「海には、逃がしたのと同じだけの良い魚がいる」も収録
巨人に昇れば、巨人より遠くが見える 【小説NON 2004/5号】
ガラスの家に住む者は、石を投げてはいけない 【小説NON 2004/9号】
卵を割らなければ、オムレツを作ることはできない 【小説NON 2005/2号】
毛を刈った羊には、神も風をやわらげる 【小説NON 2005/6号】
FRONT INTERVIEW No.109 Kotaro Isaka
映画の印象について
『好きなタイプの映画でしたね。最初にキャストの顔ぶれを聞いた時には、非常に豪華なのでどうなるのかなと思っていたんですが、テンポが良くて面白かった。原作のあとがきにも書いたんですが、僕は90分ぐらいの長さの映画が好きなんです。これは絶対にその長さには収まらないだろうと思っていたら、92分の映画だと聞いてビックリしました。その分、無理やりテンポ良くしている部分もあると思うんですけれど、逆にそこが好きなんです。僕は小説でも映画でも、丁寧に何でも説明してしまうものは、退屈してしまう。そういう意味でこの映画は意図的に観客に不親切な部分もあって、作り手がチャレンジしている感じがしました。』
小説界のギャングスター 映画界もジャック!?
『この映画は実はけっこう僕好みの仕上がりになっているんです。全体に色合いもかっこいいし、音楽もいい。なによりすごく豪華なキャストで、やってることがボーリングとか喫茶店でグダグダしたり、意外としょーもないっていう、そのアンバランスさが面白いと思うんですよ。』
映画の終わり間際で、佐藤浩市さん演じる響野が 「映画の終わりっていうのは・・・」 という演説は伊坂さんが映画用に書かれたそうです。
文春図書館 著者は語る 「終末のフール」
『「生きることは義務だ」なんて、学者やテレビのコメンテーターは言ったらいけない言葉だと思う。論理的じゃないですから。でもフィクションだったら、嘘やあり得ないことを積み上げていけば、無茶苦茶な理屈を言っても、読者に「そうかもしれない」と思わせることができるんですよ』
夕刊小説4月3日スタート 作家の伊坂さんに聞く
『今回の小説は、今まで僕の本を読んだことがない人に、自分の作品を紹介する気持ちもある。おかしな家族の話や、周辺に出てくる奇妙な人物たち、伏線とその回収など、今までの僕が書いてきた要素をたくさん使い、伊坂幸太郎のショーケースのようなものになればいいな、と考えている』
八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?今日を生きることの意味を知る物語。
「終末のフール」 【小説すばる 2004/2号掲載】
「太陽のシール」 【小説すばる 2004/5号掲載】
「籠城のビール」 【小説すばる 2004/8号掲載】
「冬眠のガール」 【小説すばる 2004/11号掲載】
「鋼鉄のウール」 【小説すばる 2005/2号掲載】
「天体のヨール」 【小説すばる 2005/5号掲載】
「演劇のオール」 【小説すばる 2005/8号掲載】
「深海のポール」 【小説すばる 2005/11号掲載】
小特集 伊坂幸太郎 それでも人は生きていく
最後は芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のイメージを思い浮かべたことについて、
『たとえ醜くても、他人を蹴落としてでも懸命に生き続けるというイメージですね。最後の話で書きましたが、子供から自殺して何が悪いんだといわれたときに、親は何がいえるのか。自殺しないほうがいいよとか、誰かが悲しむとかいったとしても、じゃあ悲しむ人がいなければいいのかということになると、また違う議論になってしまう。そのとき、「死に物狂いで生きるのは、権利じゃなくて、義務だ」といいきっちゃうことが、こういう設定ならば説得力があるような気がしたんですよね。無茶苦茶ですけど。』
総力特集! 『伊坂幸太郎 解体全書』
Just People ②『終末のフール』
『登場人物の中で誰が好きかと聞かれれば、真っ先に思い浮かぶのは「太陽のシール」の土屋さんかな。元サッカー部の主将で、僕にとっては憧れ的存在です。彼は息子が先天性で進行性の難病を患っていて、以前から、子どもを残して死ねないと心を悩ませていた。だから、唯一、小惑星の到来を喜んでいる。不謹慎かもしれないけれど、そういう人がいてもいいんじゃないかって思ったんですよね。』
松田翔太さんへ 特別寄稿 伊坂幸太郎
『試写を観た直後、ある書店員の方と話す機会があったのですが、「伊坂幸太郎の本が映画になるときは、毎回、松田翔太が出たらいいですよ。雰囲気が合ってますよ」と言われました。誰に向って言えばいいのか分りませんが、どうかよろしくお願いいたします(笑)。』
新たな世界観を創る、表現者たちの挑戦 大沢たかお×伊坂幸太郎
『僕の小説に限らず、原作と映画が同じでは意味がないと思うんですね。本はひとりで楽しむものだから、言い方は悪いんですけど、地味なものでも楽しめるんですよ。でも映画は華やかなほうがいい部分もあるでしょうし。』
Book 『終末のフール』 が届ける世界とは?
『肉親は、血縁による親しみはあるけれど煩わしさもある。夫婦だと、どちらかが我慢し続ける関係もあるかもしれない。それでも人は人との関わりでできてるし、相手がいるから、何かが起こる。世界の終わりを、一緒に過ごせる相手がいるって大切なことだと思いますから。ベタだけど、僕は人間ドラマがすきなんですよ。』
著者とその本 『砂漠』
伊坂作品は、時に"ユーモアと企みに満ちた芸風"とも評される。
��ズレはすごく大事。想像できるような盛り上げ方やクライマックスには抵抗があるし、少し違和感があるのが好きなんです。甘い、しょっぱい、激辛なんていうわかりやすいものではなくて、微妙でよくわからないけどおもしろい、と」
近況 『砂漠』
内容について考え出したときに、ジョー・ストラマーというミュージシャンが亡くなったこと、アメリカのイラク侵攻という背景があり、
『物語の中の登場人物は、やたらと「ジョー・ストラマーがさ」「ラモーンズはね」と騒ぎ、そして、麻雀をやっては平和という役に固執することになりました。』
CULTURE BOOK 伊坂幸太郎『砂漠』
「主観で動く西嶋やプレジデントマンは論理的じゃないし、迷惑だけど、じゃあ何もしない僕たちはそんなに正しいのか、偉いのかって。社会という砂漠に出るとみんな物わかりがよくなって『砂漠に雪なんか降らないよ』ってなるけど、
それは違うっていうのが小説の中くらいではあってもいいんじゃないかって思うんです。」
伊坂さんの好きなアルバム
著者インタビュー 「砂漠」 伊坂幸太郎
インパクトのあるキャラクター西嶋について
「フィクションの中では、ああいう人がいてほしい。彼のようにできたら、何か、ラクになれるかもと思わせる。自分を信じて、やることはやって努力する。それを嫌みっぽくなく、バカバカしく書けたかな、と(笑)」
伊坂さんのオススメの『砂漠』がらみの3冊