私の青春文学、この一冊
『この文庫本の序盤に、「ともかく僕のそのときまでの二十年の生涯に、なにひとつ特別の出来事がおこらなかったということがいわば僕の個性だった」という文章があった。それを読んだ瞬間、ああ、僕もそうだ、僕も特別なことなんてなかった、と共感とも悲しみともつかない気持に襲われた。』
私の青春文学、この一冊
『この文庫本の序盤に、「ともかく僕のそのときまでの二十年の生涯に、なにひとつ特別の出来事がおこらなかったということがいわば僕の個性だった」という文章があった。それを読んだ瞬間、ああ、僕もそうだ、僕も特別なことなんてなかった、と共感とも悲しみともつかない気持に襲われた。』
発見ハ何デスカ? クリエイターの遭遇。伊坂幸太郎×小西利行
小西 『伊坂さんの本って、広告を作っている感覚に近い気がするんですよ。受けての感覚がわかってて、その上で伝えている感じがする。』
伊坂 『僕は 「わかる人だけついて来ればいいんだぜ、ベイビー」 までは割り切れなくて(笑)、相手側にわかってもらいたくなるんです。ある書評家が 「伊坂幸太郎が持っているのは親和性なんだ、向こう側に親しく入り込んでいく力なんだ」 と書いてくれたのはよく覚えています。』
キッカケの素 「作家 伊坂幸太郎」 特集。
ご自分で脚本を書こうと思ったことは?
最近、自分の小説の映画化の話があった時に、「脚本をやりますか」と言われて、その時に、頭にいろいろなアイディアが浮かんで、これを脚本にしたら面白いんじゃないか、と一瞬だけ興奮したんですが(笑)、それをやったら小説を書かなくなっちゃいそうで。それに、脚本って主に会話しかないから、それになじんでしまうと、小説の地の文とか書けなくなるような恐怖もあるんですね。ですから、やらないと思います。いざ読もうとしても、「何から読めばいいのかわからない」という人も多いかと思います。本の選び方についてのアドバイスをいただけますか?
自分の好きなものだけ読んでいると、偏ってしまうのは確かですね。かといって、「あ」から順に読んでいけというのも違う気がしますし。信頼できる書評家を見つけて、読んでいくのはいいような気がしますけど。そういえば、奥泉光さんや島田雅彦さん、柄谷行人さんらの推薦書を載せた『必読書150』は、いい作品が並んでいるし、評価の理由もしっかり書かれているので、僕はとても面白かったです。僕の場合、ドストエフスキーに出会ったのが遅かったんです。若いころは「そんな有名作品は読みたくない」みたいな反発心があって。でも、読むとやっぱり、王道には王道の強さがあるというか、強固なものがあるというか...。
僕にとってはビートルズもそうで、「あんなのロックじゃない。教科書に載ってるじゃないか。イエスタデイってロックなのかよ」と思って(笑)、全然聞いてなかったんですけど、奥さんに薦められて、真面目に聞いて、「まいりました」って。古典には古典の、名作には名作の力があるんだと思います。怪しいのもありますが(笑)。
ロマンはどこだ!
夢(ロマン)をもち続けることについて
『意識的に続けようとは思っていました。「諦めなければ叶う」というか、何もやらないのに「オレ、パイロットになるんだぞ」って言う人と自分は違うんだって言い聞かせてましたね。あとは、小説を書きたいということを誰にも言うまいと決めていました。夢を周りに言ってしまうと、それが一つの満足感になってしまって、ポーズで終わってしまいそうな気がしたからです。』
Culture Navi 『終末のフール』
「籠城のビール」「天空のオール」など、遊びのあるタイトルについて、
『読者にタイトルからおもしろがってもらえたらな、と。先日、井上ひさしさんが、イヤなことやつらいことは、生きているだけでやってくる。だから、小説でわざわざ作らなければいけないのは"笑い"だ、とおっしゃっていて。僕も、にやりとしたり、驚きのある小説を書きたいんです。』