2007/12/28

週刊ポスト 2008/1/4・11号

Post Book Review 著者に訊け!




「ハリウッド映画の主人公なら自分で潔白を証明して真犯人を突き出すんでしょうけどね・・・そこは"何か大きなもの"が途轍もなく怖いという僕自身の気分が反映されているとは思う。"俄か社会派"みたいなことを言っちゃうと、例えばワーキング・プアの問題とかも、誰が悪で、どうすればいいのか、僕にはわからない。テロの恐怖と言っても個々のテロリストには家族もいて、誰が怖くて悪いのか、悪いかどうかもわからないから余計怖いんです。そして敵が大きすぎて見えないなら逃げるのも一つの選択肢だろうと。無謀でも何でも逃げて、ひっそり家族と暮して行ければいいや、それもありだよねって物語を、自分でもどうしようもなく書きたかった」